以前別のコラムでいい練習方法の判断基準は
"頭を使って練習できているか?"
という問いにYesと答えられるかどうかだと書きました。
ではなぜ頭を使うと良い練習なのか?
ここではその理由の1つを書いていきたいと思います。
まず、頭を使った練習とは言い変えると、自分にとってほどよく
難しい練習だと言えると思います。
練習の難易度が今の自分だとできるかできないかぐらいかだと
必然的に頭を使わざるおえないと思います。
そういう練習を継続してできるかが上達のカギです。
すでにできるようになったことを繰り返してもほとんど
上達にはつながりません。
逆に難しすぎる練習もあまり効果的ではありません。
ちなみに、上達の定義にもいろいろあると思いますが、
そのひとつには記憶できたかどうかということが
あげられると思います。
コード、スケールを覚えられたとか、音楽理論を覚えたとか・・・
ここで、タイトルの話になりますが、難しいことをすると脳科学的にも
記憶しやすくなるという実験結果があります。
実験の内容はだいたいこんな感じです。
文字の並び順を変えられた単語から元の単語を
答えるというもので、
例えば
アコーティスックギター
フィガンーピッキング
おがんくか
というものがあったら、元の単語は
アコースティックギター
フィンガーピッキング
おんがくか
と推測できると思います。
で、上の例は実は2文字目と3文字目を入れ替えた
だけの簡単なもので推測しやすいと思うのですが、
これを・・・
アスギコークティッター
ガンフィーンッキピグ
がおくかん
などと元の単語が推測しにくい状態、言い変えると
難易度をあげた状態で、被験者に元の単語を推測してもらいます。
すると難しい問題を解いた被験者の方が元となった単語を
その後、日数が経ってもその単語を覚えている確率が高かったそうです。
逆に簡単にできる問題を解いた被験者は数日たつと元の単語を
忘れていたそうです。
これは音楽の練習に置き換えると、例えば、音楽理論を勉強するにしても
勉強の難易度をあげれば音楽理論を理解し、かつ記憶にとどめることが
できます。
では、具体的にどうやって難易度をあげるのかというと
音楽理論を勉強するというと、単に理論書を読んで
なんとなく理解して終わりという人が多いのですが、
こういうやり方だと少し時間が経って同じページを読んでも
なんだったけ?となりませんか?
このやり方を少し難しくして、例えば新しいコードを
覚えようと思ったらそのコードを使っている曲を探してみるとか、
コード構成音を歌えるようにするとか、コード構成音を
伴奏にあわせて弾いてみるとか・・・
やり方はいろいろあります。
ポイントは
自分が楽にできる範囲でやって終わりにしない
ということです。少しめんどくさいなっと思うようなことを
いつもの練習にプラスしてあげることで、記憶できるようになり
上達していきます。
大変だと思いますが、いつもの練習にほんの少しでもいいので、
少しチャレンジングなことを入れて練習してみてください。